歌ってみたのやり方|音源の用意から録音・MIX・投稿まで
2026年10月26日時点の情報です。各サービスの規約は変わることがあるので、投稿前に公式の案内も確かめてください。
歌ってみたは、すでにある曲を自分で歌い、その歌声を動画にして投稿することです。やることは、大きく分けて次の6つです。
- ①曲を選んで権利を確かめる
- ②カラオケ音源(オフボーカル)を用意する
- ③歌声を録音する
- ④MIXする
- ⑤動画を作る
- ⑥投稿する
スマホだけで始めるなら
最初の1本は、スマホとイヤホン、それに録音アプリがあれば作れます。iPhoneやiPadならGarageBand、AndroidならBandLabといったアプリで、録音からMIXまでひととおりできます。BandLabは公式サイトでスタジオ機能を無料と案内しています。続けたくなったら、マイクやパソコンを少しずつそろえていけば十分です。
先に結論:使っていい音源、いけない音源
- 歌ってみた用に配布されている音源か、自分で用意した伴奏を使います。
- CDや配信の音源、カラオケ店で録った伴奏、市販の曲からボーカルを消した音源は、権利者の許可がなければ投稿に使えません。
- JASRACやNexToneの管理楽曲をX(旧Twitter)に直接投稿するときは、別途、利用許諾の手続きが必要です。
理由と、それぞれの探し方は下で説明します。
①曲を選んで、権利を確かめる
YouTubeやニコニコ動画などの動画サイトは、JASRACやNexToneと包括的な利用許諾契約を結んでいます。そのため、これらの団体が管理している曲なら、一定の範囲内で、投稿する人が個別に手続きをしなくても歌った動画を投稿できます。JASRACの契約先一覧には、YouTube、ニコニコ動画、TikTok、Instagramなどが載っています。JASRACの管理楽曲かどうかは、作品データベース「J-WID」で確かめられます。NexToneの場合は、作品データベースの「配信」欄に◯がある曲なら、動画配信での利用をNexToneが管理しています。
ただし、この許諾が対象にしているのは、歌詞とメロディー(作詞・作曲)の権利だけです。CDや配信の音源そのもの(原盤)には、レコード会社などが持つ別の権利(著作隣接権、いわゆる原盤権)があり、包括許諾には含まれません。歌詞を変えて歌う替え歌や、訳詞をつける場合も、別に許可が必要です。
②カラオケ音源(オフボーカル)を用意する
公式に配布されている音源を使う
いちばん安心なのは、作者や公式が歌ってみた用に配布している音源です。ボカロ曲などでは、本家の動画の概要欄や公式サイトに、「inst」「off vocal」「オフボーカル」としてダウンロード先が書かれていることがよくあります。
piaproでは、作者本人が投稿した伴奏を使った歌ってみたは、作者が示す条件に従って投稿すれば問題ないとされています。ただし、piaproの作品は非営利での利用が共通の条件で、「改変しないでください」と書かれた作品には手を加えられません。ダウンロードできるのは会員だけです。無料でダウンロードできることと、自由に使ってよいことは別なので、配布元の条件は必ず読んでおきましょう。
ニコニコ動画なら許諾楽曲を探す
ニコニコ動画には、レコード会社が利用を許諾した原盤を探せる「許諾楽曲検索」があります。ここで見つかる原盤は、ニコニコ動画とニコニコ生放送で使えます。ただし、許諾されている原盤でも、リミックスなどの改変を加えた動画は、削除される場合があるとされています。
自分で演奏する・作ってもらう
自分で演奏したり、打ち込みで作ったりした伴奏なら、原盤の権利を心配する必要はありません。NexToneも、自分で演奏・制作した音源なら手続きは不要としています。DTMができない場合は、伴奏の制作を人に依頼する方法もあります。
使えない音源
市販のCDや配信の音源、CDに入っているオフボーカル、カラオケ店で録音した伴奏、動画サイトから勝手にダウンロードした音源は、権利者の許可がなければ使えません。ニコニコ動画では、CDの音源は、全部か一部かにかかわらず、すべての権利者の許可がない限り使えないと説明されています。
ボーカルリムーバーで作った音源は?
市販の曲からボーカルを消して作った音源も、もとは市販のCDや配信の音源なので、許可がない限り、歌ってみたの投稿には使えないと考えてください。このサイトのボーカルリムーバーで作るカラオケ音源も同じです。市販の曲から作ったものは、家での練習やカラオケ前の確認など、自分が楽しむ範囲に限って使ってください。自分で作った曲や、使う許可を得た音源なら、投稿用の伴奏づくりにも使えます。
キーを変えたいとき
配布されている音源でも、利用規約でキー変更などの改変が禁止されていることがあります。自分の声に合わせてキーを変えたいときは、先に規約を確かめてください。キーを変えてよい音源なら、キー変更のツールで半音ずつ上げ下げできます。
③歌声を録音する
録音は、伴奏をイヤホンやヘッドホンで聴きながら、歌声だけを録ります。伴奏をスピーカーで流しながら一緒に録ってしまうと、あとのMIXで歌声だけの音量や音質を整えられません。スマホの内蔵マイクは、機種によって音量を自動で調整することがあるので、口を近づけすぎず、少し離して歌います。
本格的に続けるなら、マイク、オーディオインターフェース(マイクをパソコンにつなぐ機器)、モニターヘッドホン、DAW(CubaseやStudio Oneなどの音楽制作ソフト)をそろえていきます。
本番の前に、10〜20秒ほど試し録りをして聞き返しましょう。録音の音量は、いちばん大きな声でも割れないように少し余裕を残します。書き出すときはWAVにして、伴奏と同じ開始位置にそろえておきます。歌い始める瞬間をファイルの先頭に詰めてしまうと、あとで伴奏と並べたときにタイミングがずれます。
④MIXする
MIXは、録った歌声と伴奏を1つの音源にまとめる作業です。主にやることは、次の5つです。
- 歌声と伴奏の音量のバランスをとる
- EQで音質を整える
- コンプレッサーで声の大きさのばらつきをならす
- リバーブで響きを足す
- 音程やタイミングのずれを直す
MIXは、自分でやるか、MIX師に依頼するかを選べます。依頼する場合の費用は相手によって大きく違うので、先に確かめておきましょう。依頼するときは、歌声のWAVと伴奏のほかに、曲のBPMも伝えるとやり取りがスムーズです。BPMがわからないときは、BPM測定のツールで調べられます。イヤホンだけでMIXすると、ほかの機器で聴いたときにバランスが崩れていることがあるので、スピーカーなど別の環境でも聴いて確かめます。
⑤動画を作る
歌ってみたの動画は、イラストや歌っている様子の映像に、MIXした音源を合わせて作ります。イラストは自分で描くか、絵を描く人に依頼するほか、作者が動画用の素材を配布している曲もあるので、その場合は配布元の条件どおりに使います。
YouTubeの推奨設定に合わせるなら、ファイルはMP4、音声のサンプルレートは48kHzにします。パソコンでのYouTubeの標準の画面比率は16:9なので、横長で作るのが基本です。ショート動画やTikTok向けには、縦長(9:16)で作ります。
⑥投稿する
タイトルは「【歌ってみた】曲名 / 原曲アーティスト名」のような形がよく使われます。概要欄には、原曲、使った音源の入手元、MIX、イラスト、動画を担当した人のクレジットを書いておきます。
YouTubeでは、Content IDという仕組みで、権利者が登録した音声や映像と、投稿された動画が照合されます。一致すると、権利者は、動画のブロック、広告による収益の受け取り、再生の統計の確認のどれかを選べます。YouTubeパートナープログラムに参加している人は、カバー動画に音楽の権利者から申し立てがあっても、広告収入を分け合えることがあります。一方、長さが1〜3分のショート動画は、有効な著作権の申し立てが1件でもあるとブロックされるので注意してください。